次の10年を
あなたはどう描きますか?
#全員が自己ベスト

周囲に支えられ、あきらめない気持ちを結果に繋げる

羽野 一志(オリンピアン(ラグビー))
厳しい練習を乗り越え目標を達成する道のりとは?

7人制ラグビーと聞くと苦しい練習を積み重ね、試合での激しいタックルや歯を食いしばって挑む選手の姿を想像する人も多いだろう。リオ2016大会での日本の活躍も記憶に新しい。

そんなラグビー日本代表の一人・羽野一志選手は、NTTコミュニケーションズという企業に会社員として勤めながら、ラグビーチームでも活動しているアスリートだ。

3人兄弟の末っ子だった羽野選手は、姉二人に可愛がられて育った甘えん坊だったという。小学生の時は当初、水泳やサッカー、野球、陸上、バスケなど色々なスポーツをやっていくうちにバスケ部に落ち着き、そのままバスケをやっていくつもりだった。しかし、中学生の時にバスケ部が新入部員を募集しないことを知り、その流れでラグビー部の顧問に声をかけられ、ラグビーを始めたという。

「本当に外で泥だらけになって、人とぶつかって、キツイなあというのが最初の印象でしたね。練習に行かないこともありました。でも、試合で一発、すごいタックルが決まってその時にみんなに褒められたりして、そこでラグビー面白いなあって」

そこから、愛知県の選抜に選ばれラグビーにのめり込む生活が始まった。

高校に入ると、全国大会を目指して、ほとんど休まず厳しい練習量をこなしていた。毎日朝練して夜9時ぐらいに帰ってくる生活を続け、「辞めたい」と思った時もあった。けれど、家族の支えを感じて、「途中で投げ出すわけにはいかない」と思っていたという。

その思いを支えていたのは、今までラグビーを頑張ってきてここで辞めるのはもったいないという気持ちと、チームメイトにまで恵まれ、3年連続花園出場できたという実績だった。

厳しい高校時代を経て大学では、「すごく楽しくラグビーをやっていた」という羽野選手。U-20や日本代表にも選ばれ、リオ2016オリンピックという舞台でニュージーランドに勝った時が、「一番嬉しかった」という。世界ランキング一位の国(当時)相手に、14分間の試合でフル出場し、しっかり低いタックルをして献身的なプレーができたと自信を持って振り返る。

「僕あんまり目立ってプレーするタイプじゃないんですよ。(笑)。地味なプレーが多いんです。でも、毎試合80点を心がけるようにしていて、なぜなら、ラグビーって実は結構ミスするスポーツで、そこで僕が関連したプレーでミスがない時とかは今日はよくやったなと思います」

現在は東京2020オリンピックに向けて合宿を優先で活動を続けているが、社内では物品調達や名刺を作ったり、社員サポートの面で仕事をする場面も多いと話す羽野選手。会社でも応援してくれる人が多く、出社すると暖かく声をかけてくれるという。

リオ2016オリンピックのベスト4の成績は日本のチームとしては素晴らしかったが、やはりメダルをとると取らないのでは印象は大きく違うという。帰国してからの空港でのファンの数の違いや、メダルリストのパレードに参加できなかった悔しさもあるそうだ。

「やっぱりメダルを取ってからじゃないと注目してくれないと思うんで、しっかりメダルを取ってもっとラグビーが広がったらなと思います。先週合宿があって東京スタジアムで模擬試合をさせていただいたんですけど、気候とかもわかりましたし、レフリーの人たちや色んなスタッフの人たちに支えられてその合宿を終えることができました。いい準備になりましたし、しっかり準備をしたからこそ結果を出さなきゃいけないなと改めて思いました」

#多様性と調和

メダルを目指して国境を越えてチームが一体化する

羽野 一志(オリンピアン(ラグビー))
チームをまとめるコミュニケーションで気をつけていることは?

ラグビーチームには出身地や年齢、国籍も異なる沢山の選手が在籍している。ポジションによって体格もまったく違うメンバーはまとめるのが難しく、それぞれが個性の塊だという。そんなチームで羽野選手は、どういったことを意識しているのだろうか。

例えば、遠征先では毎回二人部屋でその合宿ごとに部屋割りも変わってくる。あんまり喋らない若手と一緒になったりすると、羽野選手は喋らない人だったら喋りかけ、よく喋る人だったら聞く、など基本相手に合わせることを心がけているそうだ。その人の個性を知ることは、性格はもちろんプレーの面にも現れてくる。練習でどういう動きや判断をするかはその練習でしかわからないことではあるが、練習外のコミュニケーションも大事になってくるという。

「外国の選手がひとりで来ているじゃないですか、すごい寂しいと思うんですよ。そういう時にしっかり僕らから声をかけていくようにはしています。ラグビー中の英語って大体わかるんですよ、ラグビー用語ってほとんど変わらないので。これが日常会話とかになると、『ハロー』とかそのぐらいはいけるんで、あとはもう気持ちで喋っています」

外国人のチームメイトとの仲の良を垣間見られるエピソードも話してくれた。チームでは、試合で勝った日にチームソングをロッカールームで歌う。勝った喜びをみんなで分かち合いチームの一体感を感じる瞬間だ。チームソングは外国人選手が作ってくれた日本語と英語がバランス良く入っている替え歌のことだという。

「チームソングっていう概念は海外のチームから取り入れたものだと思うんで、多分日本人だけのチームだったら歌わないと思うんですよ。でも外国人選手がいるからそういう文化が取り入れられたりして、ヘッドコーチとかも外国人選手が多いんで、じゃあ試合勝ったら歌おうよみたいな雰囲気になるし、多分日本人選手だけだったらそういうのはなかったんじゃないかなと思います。面白いですよ」

ラグビーは選手と観客の距離が近いスポーツ。いざ試合となると、社内の上下関係を気にせず勝った喜びをみんなで分かち合い、本当にラグビー好きで分け隔てなく接してくれる社員の姿も嬉しく感じているという。

「やっぱり色んな年代の人と話す機会があるのでラグビー好きなおじちゃんもいればすごく若い後輩もいるし、色んな年代の人と話すっていう機会は会社の中では多いですし、色んな世代の人たちから応援していただいているのでそれは本当にありがたいなと」

#未来への継承

未来を意識し、自分の力で掴み取る

羽野 一志(オリンピアン(ラグビー))
自分の夢を見つけるために今やるべきこととは?

今年から同じクラブチームに加わった安田卓平選手を迎え、将来や二人が人生の選択をする時に大事にしていることについて対談を行った。安田選手は京都出身の23歳(※取材を行った2019年8月5日の時点)。ポジションはフルバック(FB)で、U-20日本代表選出経験を持つ。
まず、羽野選手から見て今のチームの雰囲気はどんな感じなのだろうか。

羽野選手「チーム全体が若いので1年目から好きに発言したり、年齢に隔たりなくなんでも自分の自由にやれるチームです。本当にいい意味で上下関係もないですし、若手から活躍できる環境です」

安田選手「そうですね、若いっていうのもあって、全員フランクに話しかけてもらえますし、やりたいようにやっていいといわれているので、1年目からでもやりたいことやらしてくれるチームだなって感じています」

安田選手から見る羽野選手のプレーやチームメンバーとしての印象は?

安田選手「羽野選手は国内リーグの中でもそんなに大きい方じゃないと思うんですけど、それでも体はすごい強くて、僕の中ではあたり勝ってるっていうイメージがあります。もちろんスピードもあってアタックをフォーカスされていますけど、ディフェンスもできる方だと思いますし、なんでもできるプレイヤーかなと思います。
自分はあんまりこっちきてから喋る機会がなかったんですけど、グラウンドに来られた時は色んな人に気さくに喋りかけている感じがして、誰とでも話すムードメーカー的な存在なのかなと感じています」

続いて、オリンピックの種目である男子7人制ラグビーについて話は進んでいく。リオ2016オリンピックでの羽野選手をはじめ日本チームの活躍と、それを目の当たりにした安田選手はどのような気持ちだったのだろうか。
羽野選手「同じチームにセブンズでオリンピックに出場した選手がいるので、そのオリンピックを見てセブンズやりたいなって思ってくれればすごい嬉しいし、東京2020オリンピック終わっても次のオリンピックあると思うからそれを目指してくれたら嬉しいなと思います」

安田選手「この前のリオ2016オリンピックで種目になって日本代表が活躍していて、いつかは立って見たいと思うところですし、自分のポジションも狙えると思うので、どんなものかっていうのは想像つかないですけど、やって見たい気持ちはありますね」

羽野選手「めちゃくちゃ練習きついよ」

安田選手「そうっすよね…(笑)」

羽野選手「俺は小さい頃からオリンピック見ていて、こういう舞台出られたらいいなとずっと思っていたから、ラグビーが種目になって本当にオリンピック出たいなと思ったし、出たいと思ったなら今すぐチームと相談して早くいったほうがいいよ!(笑)」

安田選手「そうですね(笑)。でもラグビーやっている人からすればオリンピックでメダルを取れる可能性があって、オリンピックであんなに活躍してすごい注目を浴びるっていうのは、ラグビーをやっていて良かったと思いますよね」

羽野選手「それで7人制やりたいって思ったの?」

安田選手「はい、それを見て、時代は7人制だなと思いましたね(笑)」

未来のラグビー選手となる子供たちについてもこんなメッセージを話してくれた。

羽野選手「もちろん、東京2020大会で日本代表の活躍を見て、今の子供たちが7人制のラグビーに興味持ってくれたら嬉しいですし、ラグビーをやっていない子たちもラグビーをするきっかけになってくれれば、嬉しいなと思います。それは僕たちが本当に一生懸命頑張っていれば伝わると思うし、まして日本の国旗を背負って戦うわけですからしっかり責任も感じています。並大抵の練習量じゃないので、その舞台に立つまでに色んな努力をしてきているのであって、常に今日の練習、明日の練習とどんどん積み重ねて、東京2020大会で活躍するっていう目標があるので、将来を見据えることも大切だとは思うんですけど常に今を一生懸命やっていって欲しいなと思います」

安田選手「毎日日々を頑張っていきたいと思います(笑)。
このチームを選んだ時から一志さんがいる。自分のポジションにこういう活躍されている方がいるっていうのはすごい意識していましたし、自分がこのチームで出るためには越えなくてはいけない壁だと思っています。一つ一つのプレーにどれだけ本気で、どれだけ毎日必死になれるのか自分ができることをしっかり100%し続けていこうという風に思っています」

羽野選手「僕個人でいうと、リオ2016オリンピックも出て東京2020オリンピックも出てってなると結構すごいじゃないですか。それをやっぱり自分の子供に、もし子供ができた時に伝えられたらいいなっていうのがあって。自慢じゃないですけどこうやって頑張ってきたんだぞっていう、ちょうど見せられる良い機会だなあと思うので、しっかり結果を出して頑張っていきたいと思います。
ラグビーって楽しいし、すごいキツイんですけど、キツイなりに勝った時の喜びっていうのはすごく大きい。なにより人数が多いスポーツなのでたくさん仲間ができて、たくさんの人達と知り合えるっていうのも一つの魅力で、そういうのが体験できるっていうことを子供達に知って欲しいなあと思います」

最後にこれまでを振り返って、これからの進路や将来について悩む高校生に声をかけるなら、何を伝えたいですか。

羽野選手「多分僕めちゃくちゃ運が良いんです。良い出会いをして、その人達が自分を良い方向に連れて行ってくれたっていうのがすごいあるので、その出会いを一つ一つ大事にしてそしたらその人達が絶対いずれ良い方向に連れて行ってくれるので」

安田選手「会社によっては色んな会社ありますし、色んな待遇とかあると思うんですけど、僕はやりたいことがラグビーだったので、ラグビーで自分が入った時に1番成長できて自分が1番イキイキしていて、幸せになれるチームを選ぼうと思ってこのチームに入りました」

羽野選手「本当に自分の未来を想像するっていうのは大事なことだと思うので、(進路を決めるときは)このユニフォームを着て自分がプレーしてるのを想像したし、その時に入る仲間とかその時いる先輩とか想像しながら決めたっていうのもあります。
迷っている人もいると思うんですけど、自分が何をしたいのか自分で決めて、本当に見つけたいことを本当に真剣になって考えれば、見つかると思う。自分の未来は自分のものでしかないので、本当にそれで後悔ないならそれでいいと思うし、僕みたいに他の人の意見で色んな良い方向に連れて行ってもらうこともあるし、自分で掴み取ることもできるし、まずは自分の力で、自分の未来なので、自分の自己責任で決めていって欲しいなって思いますね」

Profile
Kazushi Hano
羽野 一志
1991年生まれ、愛知県出身。NTTコミュニケーションズ所属。中学生からラグビーを始める。大学1年生のときにセブンズ日本代表に選出され、セブンズワールドカップ出場、アジア競技大会で金メダル。リオデジャネイロ2016オリンピックに出場。
#全員が自己ベスト

周りの“応援”が力になる「結果で恩返しがしたい」

仲野 春花(アスリート(陸上競技(走高跳)))
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